カステラは南蛮菓子として、織田信長や豊臣秀吉が活躍した時代に伝わりました。南蛮貿易によってもたらされたものとして、中学校の歴史の教科書にもよく出てくる定番のお菓子ですね。
このカステラを伝えたのが、キリスト教布教のために渡来してきた宣教師だといわれています。カステラの起源はスペインのカスティーリャ王国であり、ボーロに似た菓子パンであったとされています。
スペイン語の「カスティーリャ」がポルトガル語では「カステーラ」と発音され、このポルトガル語発音による名称が「カステラ」の語源とされています。
南蛮人によってカステラの原型となるお菓子が長崎に伝えられたという経緯もあり、カステラは長崎において発展をしました。
もともとカステラの味は、現在のようなカステラの味とは異なっていたといいます。現在親しまれているカステラの味は、長崎の菓子職人が独自に研究・改良を重ねて生みだされた味だといわれています。
そして現在でも長崎にはカステラの老舗が多く、本場のカステラの味を楽しむことができます。
そんな南蛮文化溢れるカステラにも、宮内庁御用達を拝命した老舗があります。
明治33年(1900年)創業の「文明堂東京」。
文明堂東京は、長崎で文明堂を創業した中川安五郎の実弟、宮﨑甚左衛門が東京上野に店を構えたことからその歴史が始まります。
写真は献上品の「特撰ハニーかすてら吟匠」です。
現在では「贈り物の定番」として定着しているカステラですが、昔は非常に高級であり、庶民には到底手の届かない品物でした。
豊臣秀吉が天下人となり、日本を治めていた時代、献上品として差し出されたカステラを秀吉は大変気に入ったという逸話も残っています。
当たり前のように食べることが出来るようになったカステラも、こういった経緯を知れば、もっと味わって食べることができるかも知れませんね。
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