日本においてワイン造りが始まったのは、明治時代が幕開けてからほどなくのことでした。明治政府によって積極的に外国の文化を取り入れる(文明開化)とともに、殖産興業の政策の一つとして日本におけるワイン造りを奨励しました。
ワイン自体は明治時代以前にも日本の文献に登場しています。古いものでは1483年(文明15年)に、関白近衛家の人がワイン(赤葡萄酒)を飲んだという記録があります。それ以後の戦国時代においても、イエズス会の宣教師「フランシスコ・ザビエル」によって、畿内や地方の大名に献上されたと記録されています。
大河ドラマなどのワンシーンで、「南蛮文化好きの織田信長がワインを飲む姿」を目にすることがありますが、実際に織田信長や豊臣秀吉、徳川家康を始めとする戦国武将たちは、好んでワインを飲んだという記録が残っています。
江戸時代になってからも、海外から輸入されてくるワインは大名や幕府の要人ほか、一部の裕福な商人の間で飲まれていたといわれています。
国策としてのワイン造りの中心となったのが山梨県です。山梨県に住んでいた山田宥教と詫間憲久が、共同で葡萄(ぶどう)酒の醸造をはじめたことが、ワイン醸造の元祖とされています。
当時のワインは、日本酒を好んでいた日本人に合わせて甘口に仕上げられていました。酸味の強いワインは、当時の日本人の舌には合わなかったそうです。
日本国内のワイン名産地を紹介。
山梨県は日本におけるワイン発祥の地であり、ワイン造りを殖産興業の政策の一つとして奨励していた明治期にその基礎ができました。周囲を山に囲まれた盆地気候が、ワインの原料である葡萄(ぶどう)作りに適しています。特に山梨県固有のぶどう品種である「甲州ブドウ」で造られた白ワインは、近年の日本食ブームの波に乗って、海外においても注目を集めています。
長野県はワイン用に使われるブドウの生産量が日本一です。そして隣接する山梨県と並んでワイン造りが盛んな土地です。特に近年においてはその生産に力を入れており、2002年には「長野県原産地呼称管理制度」をスタートさせ、長野ワインの厳正な審査を実施し、品質向上の一翼を担っています。
北海道も明治時代、山梨県に次いでワイン造りに積極的に取り組んだとされていますが、北海道の明治期におけるワイン造りは、あまり成果が出なかったといいます。
北海道のワイン造りの本格的なスタートとなったのが、十勝地方「池田町」の取り組んだ「十勝ワイン」です。昭和20年代後半、十勝地方は十勝沖地震や冷害といった自然災害に次々と見舞われます。この苦しい時代を脱却するために、池田町は「ブドウ栽培」と「ワイン製造」の道を切り開いていきました。そして現在、町全体でブドウ栽培とワイン造りに取り組む池田町は「ワインの町」と呼ばれています。
宮内庁御用達を賜ったワイナリーを紹介したいと思います。
元々は日本酒の酒造をしていましたが、明治中期頃にワイン醸造に取り組み始めました。明治38年には宮内庁の陸軍御用達として「九重ジャパン」を納入するまでに至ります(残念ながら現在は取り扱っていません)。
スズラン酒造のワインは、すべて自社農園で収穫したものを用いているので品質が安定しています。また、ワイン工場見学や試飲、ブドウ畑の収穫体験もできます。
降矢徳義がルミエールの前身である降矢醸造場を創立。降矢徳義は若くして孝明天皇より従五位下朝臣丹波守を賜り、京都守護職の松平容保(会津藩主)とともに禁裏を守護していたと伝わります。
明治42年には、白瀬中尉の南極探検隊に資金と白葡萄酒を提供。2度に渡る赤道通過にも「品質が変わらなかった」という感謝状を贈られています。大日本帝国陸軍・海軍の御用を承り、大正7年には宮内庁御用達を賜りました。
ワイン工場見学や定期イベントを開催しており、また上記紹介のスズラン酒造工業とも所在が近いため、一緒に訪れると良いかもしれませんね。
日本最大級の流通規模を誇る楽天市場・アマゾンの、ワインの売れ筋・人気ランキング情報です。楽天市場では、世界のワイン飲み比べセットが好評です。アマゾンでは、はちみつ入りワイン・りんごのお酒など様々な種類のワインを選べます。