奈良県三輪地方で生産されている「三輪素麺(そうめん)」の老舗で、創業は享保2年(1717年)。宮内庁には昭和3年(1928年)から納入するようになり、戦後になるまで御用達を務めてきました。
最高級そうめん「献上三輪」は実に3年もの間寝かせ熟成させた大古物で、極細の麺は茹でても太くならず、コシがあって歯ごたえの良い食感を味わえます。
写真の「白龍」は人気1位の商品で、モンドセレクションも3年連続で受賞しています。冷たいそうめんは、暑い夏が訪れるお中元やお盆の贈答品として選ばれています。
2017年、創業300年を機に「三輪そうめん山本」から「三輪山本」へ社名変更されました。
日本三大うどんのひとつ「稲庭うどん」の老舗で、創業は万延元年(1860年)。明治20年(1887年)に宮内庁御用達を拝命しました。
機械化の進んだ現在においても伝統の「手練り」にこだわり、完成に至るまでを全て手作業で行っています。手練りであるからこそ生地に空気の穴(気砲)を多く含み、独特のコシの強さを生んでいます。
また秋田県内をはじめ、東京、福岡に直営店があり、本場の味を楽しめます。うどんも夏のお中元やお盆の贈答品に喜ばれる商品です。温かく冬に食べるのも良いですね。
明治13年(1880年)、「ざんぎり頭と牛なべ」を合言葉に、近江牛すき焼きの元祖、東京銀座「松喜屋」が創業しました。そして宮内庁に肉の塊を納入していた経緯から、明治39年(1906年)に宮内庁御用達を拝命しました。
この銀座松喜屋に近江牛を一手に納入していたのが、滋賀の牛肉生産者「西居庄蔵」であり、その縁もあって3代目「西居義雄」が「松喜屋」の暖簾分けを受けます。
銀座松喜屋は現在、港区白金台に移転をしており、文明開化の味を今に伝えています(残念ながら閉店されたようです)。また暖簾分けした滋賀の松喜屋も、牛肉の販売からレストランまで手掛けています。牛肉やハムなどは、冬のお歳暮に良く選ばれている商品です。
米沢市の特産品である鯉(こい)を扱う老舗で、創業は嘉永2年(1849年)。米沢市内に現存する鯉料理店では一番の老舗。
天皇陛下(上皇陛下)の誕生日を祝う祝賀会では、鯉料理を毎年納入(東日本大震災以前まで)しています。また秩父宮家、高松宮家とも縁があり、両家へも毎年鯉料理を届けているとのことです。
宮坂(みやさか)の鯉こくは白味噌を使って長時間煮込まれており、骨まで食べられる優しい味わい。ご高齢の方にも安心して勧められます。(祝賀会の鯉こくも白味噌とのこと)
日本三大珍味のひとつ「越前ウニ」を扱う老舗で、創業は文化元年(1804年)。越前松平藩の御用商人を勤め、福井藩16代藩主「松平春嶽」より「天たつ」の名を拝領するなど、福井藩との関係が深い。
代表商品「越前仕立て汐うに」は、バフンウニのまろやかな熟成と深い磯の香り、旨味、甘味、苦味の均整が取れている逸品。日本酒やご飯に合います。
福井藩に献上された越前ウニは、幕府や朝廷への贈答品にも用いられ、昭和天皇もお買い上げになられたとのこと。
日本三大珍味のひとつ「カラスミ」を扱う老舗で、創業は安政6年(1859年)。純正高級な自然食品であるカラスミは皇室にも好まれ、皇室ご成婚や即位式の饗宴の際に納入されています。
塩味のある独特の香りと食感は、日本酒やご飯との相性が良く、酒の肴にも食卓にも珍重します。
また、歴史ある黒漆喰の店舗は、長崎市街地の戦前から続く店舗として文化庁有形登録文化財に登録されています。
濱長本店は明治時代に宮内庁御用達の昆布・蒟蒻(コンニャク)を扱っていた老舗で、創業は天保年間(1830~43年)。現在では蒟蒻・ところてんを扱っており、特にところてんの新製品開発に力を注いでいます。
マンゴー・ざくろ・抹茶・ワイン・コーヒー味といった、一風変わったところてんを販売しており、それぞれに風味を巧みに取り入れた味わいあるところてんを楽しむことができます。
ところてんはゼロ・カロリーに近く、ダイエット食品としても人気があります。ところてん特有の食感を楽しみながら、健康な体作りに取り組むことができます。ところてんを見ていると、何だか涼しげな風鈴の音が聞こえてきそうです。
京都において600年以上暖簾を守り続けている昆布の老舗で、創業は南北朝合一の頃(1392年)まで遡ります。創業当時から御所に昆布を納めているとのことなので、御用達店としても600年以上の歴史を持ちます。
代表商品の「比呂女」は、原料に北海道産の最高級天然昆布を用い、約6年もの歳月を費やして作られています。美味しい昆布を作るには「寝かし」が大切で、主人のこだわりが伝わってきます。
ちなみに、大阪にも昆布を扱う「松前屋」がありますが、こちらとの関係はありません。
嘉永2年(1849年)創業の老舗海苔店。宮内庁とのお付き合いは明治2年(1869年)、明治天皇が京都へ御還幸された際、江戸からのお土産として納入依頼があり、そこで初めて味付け海苔を考案して献上しました。
二代目の山本德治郎は剣道にも励み、剣豪・山岡鉄舟と同門で親交が深かったそうです。(山岡鉄舟はその後、明治天皇の侍従となる)
人気商品の「おつまみ海苔」は、農林水産大臣賞受賞、産経新聞への掲載など、各方面で話題と好評を得ています。またハローキティとコラボレーションをするなど、老舗ながらも現代の私たちに受け入れやすい商品展開を行っています。
海苔は「消耗品(キエモノ)」として、快気内祝い・お香典返しなどでも人気の贈答品です。