「皇室」というイメージから、皇室の方々は華やかな食事をしていると思っている方もいるかも知れませんが、実は、普段の献立は意外に質素で健康的な食生活をしているそうです。
とある日のお食事メニューでは「麦ごはん、みそ汁、焼き魚、卵焼き、漬物」といったように、一般家庭と何ら変わりのないような食事をなされています。
そして、その食事に利用される食材は、皇室が管理する農場などで作られた新鮮な食材を使っているとのことです。普段の食事に用いる食材の多くは、自給自足によって補われているのです。
皇室で利用する食材は、栃木県高根沢町にある御料牧場で生産されています。
野菜はキャベツ、レタス、白菜、大根、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、ネギなど数多くの種類が豊富に栽培されおり、有機栽培で無農薬を徹底しています。
放牧も行われており、牛、豚、羊、鶏などを飼っています。これら家畜は精肉として利用されるほか、鶏からは卵が、乳牛からは牛乳、チーズやバターなどの乳製品が生産されています。
この御料牧場では、かなりの種類の、多岐にわたる食材が生産されていることが分かります。
那須高原に訪れる観光客に人気の「御用邸チーズケーキ」。栃木県は生乳生産量で全国第2位になるほど畜産が盛んな土地です。(写真はチーズガーデンの御用邸チーズケーキ)
以前、上皇陛下が皇居内にある水田で作られた稲の刈り取りを行い、このことがニュース等で話題になったことがあります。
この皇居内における稲作は、昭和天皇が初めに行ったとされています。上皇陛下はこの昭和天皇が行っていた行事を引き継がれ、種籾まき、田植え、そして収穫の稲刈りまで、一貫してご担当されてらっしゃるとのことです。
戦後、日本は工業技術大国としての地位を確かなものとしてきましたが、一方で農業や米作りといった、古来より日本で伝統的に引き継がれてきたものが失われつつあるといわれています。
上皇陛下が忙しい公務の中、日本古来からの伝統である稲作を自らに続けてらっしゃることには、日本の農業に対する強い想いやお気持ちを感じ取ることができます。